インプラントの歴史
インプラントの世界史
インプラントの起源は1952年にさかのぼります。
スウェーデンのブローネマルク氏が、「オッセインテグレーション(骨とチタンの結合)」を見つけたことから始まりました。この発見により、「チタン」が生体に害を及ぼしづらい金属であることがわかります。
その後も研究が続けられ、1965年に人体への応用が始まりました。少しずつデータが蓄積されて信頼性が高まり、現在に至ります。
インプラントの日本史
今でこそ日本国内で普及しているインプラントですが、現在に至るまで長い時間がかかりました。
1978年、川原による「サファイア・インプラント」から日本のインプラント史が始まりました。人工サファイアを用いた当時の治療法は、骨結合がうまくなされずさまざまな問題を抱えます。治療後に人工サファイアが折れたり、周囲の歯に固定する必要があったりとトラブルが続出し、世間からのインプラントに対する信用は地に落ちました。
しかしその後、1983年に海外と同じインプラントが導入されることとなります。東京歯科大学にて、日本初のブローネマルク式インプラントが行われました。
研究は今日まで続けられ、現在は国産のインプラントも開発されています。
インプラントの現在
インプラント治療は、現在も研究が重ねられ進化し続けています。
たとえば、人工歯を接続する際の「アバットメント」。少しずつ進化を遂げており、細菌が入らない綿密なアバットメントの開発を目指しています。
また、インプラントの形状にも変化があります。今まではストレートな形のものが一般的でしたが、現在は天然の歯に近い先細り形状のインプラントが開発されています。どちらが良いということは一概には言えませんが、今後もさらなるアップデートが期待されるでしょう。
インプラントは日本に導入されて以降、科学的根拠に基づいたより安全で早く、美しい治療を目指して研究が重ねられました。
優れた治療方法のひとつとして世間に認められていますが、治療がいくらすばらしいものであっても医師に十分な技術がなければ成功できないのです。
インプラントを検討する際は、歯科医院選びを慎重に行いましょう。