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検査でよく行われるのがレントゲン撮影による術前診査です。しかしながら、このレントゲン像は、全体的な審査診断を行うためには有効なものの、インプラント治療の術前検査には神経管、血管の位置、骨幅、骨質を診断するためにはCTによる精密検査のほうが有効です。
CTを用いれば、コンピュータと連携してデータ解析と画像処理を行い、顎部の 3次元の画像化が可能になることで、骨の高さ、厚み、それに神経管の位置といった顎の内部構造や埋伏歯と周囲の歯や神経管との立体的位置関係を容易に確認できます。また、CTスキャナーを使用すれば、骨が少なくてもインプラント手術が行えるようになります。安全面からいえば、歯科医院で撮影するパノラマ写真は、一般的な医療向けCTスキャナーの10分の1以下の放射線で、この歯科用CTはパノラマ写真の数枚程度の放射線量なため、放射線に対する患者様への負担はわずかといえるでしょう。
手術中、再度CTを撮り患者様のお口の状態を確認し、ドリルの深さや方向性を確認します。
また、手術後にも再度CTを撮影し、シュミレーション通りにインプラントが埋入されているかを細かくチェックします。
インプラント治療では、「マイクロスコープ(歯科用電子顕微鏡)」が必須です。
たとえばむし歯などで抜歯した場合、歯の欠片が歯根内に残っていたり、歯髄(歯の神経)の先に化膿して膿袋が存在したりすると、インプラント埋入後に炎症を起こす原因になります。この小さな欠片や膿袋は目で即座に見られるものではなく、完全に取り除くことができません。マイクロスコ-プがあれば、マイクロスコープを利用しながら精密な治療をすることができるため、小さな欠片や膿袋を完全に除去することができます。
このマイクロスコープは、肉眼では見えない微小な対象物を5~20倍に拡大して投影し、より正確な診断と治療を行うことが可能です。従来の経験のみに頼っていた手探りの治療から、現在ではマイクロスコープと組み合わせることで正確な診査・診断、そして治療を可能にし、それゆえ治癒率も向上しております。
また、アバットメント(土台)をねじ止めするときにも、インプラント本体内部を清潔にする必要があるため、マイクロスコープを使ってすみずみまで清掃、乾燥が必須です。
肉眼ではとらえられない部位を拡大視して処置するため、より精密な診断や治療が可能になります。マイクロスコープなしでは細部を確認するのが難しかったのですが、マイクロスコープで拡大視すれば治療の可能性が広がります。見えなかったものを見えるようにすることで、従来のレントゲンを参考にしつつ経験と勘で行っていた治療と比較すると、むし歯、汚染物質、歯石の取り残しを防ぎ、再治療の頻度を少なくすることができます。